『宮崎椅子 工場訪問』
キリガヤでは長年(株)宮崎椅子を扱っていますが、初めて徳島にある本社・工場を訪問させてもらいました。
最初は「なぜ徳島で宮崎なのか?」と思いましたが、徳島に住む宮崎さんの会社なのです。
徳島は昔から鏡台や婚礼タンスを地場産業とした盛んなところでした。
鏡台では静岡と1、2位を競うほど名を馳せていました。
徳島はあの有名な大塚製薬の本拠地で、2代目の社長の肝いりで宮崎さんも婚礼タンスを手がけていたようです。
ただ大塚製薬では2代目の大塚正士会長が亡くなると家具から撤退をしました。
それを感じ取っていた宮崎社長は下請けからの脱却を目指して、独自のデザインによる椅子作りを始めたそうです。
宮崎さんの成功の秘訣は「外部デザイナーとのコラボによる デザイン力」にあると思います。
今名だたる小泉 誠さんや村澤 一晃さんというデザイナーの椅子を製作販売しています。
本社工場は田んぼや梨畑の中にあるのどかなところにあります。
この工場も戦時は軍需工場だったところだそうで、そこに小泉さんの設計による斬新な本社屋を作っています。
この不景気の中で、受注が殺到している宮崎椅子です。
毎日残業をしながら納期に対応していますが、全てを自社内工場で生産をしています。
これまでキリガヤで扱っていないものまで、全てを揃えているショールームで打合せをしました。
一脚一脚、全部に座ってみると、それぞれに皆違いがあるのです。
椅子は見た目ももちろん大事ですが、座り心地が自分に合うかどうかが一番大事です。
キリガヤはこれからも、椅子は自分で確かめて、納得してお買い上げを頂くを第一に進めていきます。
お客様に提案をさせて頂くということは、自分が納得するということが原点になります。
今回自分の目で確かめられたのは何よりでした。
宮崎椅子がこの時代に「なぜ成長を続けているのか?」の ナゾが解けました。
デザイナーは初期にデザイン等の費用を全て得る事ではなく、ロイヤリティーとして売れた分だけ確実に手に入る方式を採用しています。
要は出版の印税方式です。
一番のヒット作は5年間に1万台を製作したようです。
デザイナーは売れれば自分に跳ね返るのが分かるので、真剣に取り組むことになるでしょう。
徳島へ行ったついでに、同業の「むく板工房」を見学に行きました。
一枚板の在庫も大量にあり、加工場も同じ建物の中で細かな加工までも一貫してやっているすばらしいところでした。
これはむく板の耳をワイヤブラシのようなもので削っているところです。
一番の発見はこのカップホルダーです。
来年には新社屋の中にドリンクコーナーを設け、カップはこれを使うことにしました。
プラスチックにはない存在感があります。
これまではプラスチックしかないと思っていたので、味気ないけどしょうがないなと思ってました。
やはり自分の目で歩いてみるのが一番の情報収集です。
行ったついでに徳島の別の情報も次回にお伝えします。