名古屋城 本丸御殿復元工事の見学
完成を18年(H30年)に予定して、10年を要する大掛かりな名古屋城本丸の工事が始まっています。
今回はその現場に入らせてもらう機会がありました。
名古屋城は400年前に家康の子、初代尾張藩主の義直の城として作られました。
この石垣の見事さには惚れ惚れしました。
記録によると、石積みは半年で完成したとありました。
重機もないその時代にどうしてやったんだろうと、人間の能力とはすごいものと感心させられました。
その後天守閣とともに建物が国宝に指定されましたが、第二次世界大戦で昭和20年5月14日の空襲で焼失しました。
天守閣は昭和34年に復興されましたが、本丸御殿は復元されていませんでした。
ただしこの天守閣はコンクリート造りです。
それを可能な限り忠実に復元しようというのが今回の一大事業です。
総工費 | ||
建築工事 | ||
建築面積 | 建築坪単価 1100万/坪 | |
直接工事期間 | ||
壁画模写開始から |
壮大なプロジェクトです。
あくまで忠実に復元ですから、使われる木材も木曾・吉野のヒノキを主に、よくぞこれだけ集められたと思うほどの材料でした。
使用される木材 1830m3 これは大型トラック 900台分に相当します。
梁・柱の主要部分のヒノキは年輪が1mmで、想定の樹齢は400年ほどと思われます。
使われる中での圧巻は、玄関の入口に使われる梁は柾目の無節でした。
ついつい「これいくらしますか?」と聞きたくなり質問すると、答えにくそうに「ベンツ一台です」と言われましたが、私はロールスロイスに近いのではないかと思いました。
何故か!!!
これは柾目で無節で芯がない部分、これだけのを取ろうとすると丸太は1mくらいのでなければなりません。
そうやっていざ製材してみて節があったらアウト。
どうやって取り出したのかと、奇跡かなと思うほどです。
今回の木材のすごいのは、基本的に梁・柱は「芯去り」といって、丸太の中心で作っていないということです。
とてつもなく太い丸太から芯を外して製材しています。
これは割れを避けるためですが、今の時代では不可能に近いことをやっています。
これから完成までまだ時間はかかりますが、途中もぜひ見学したいし、完成したらば今回見た木材がどう映えて出来上がるのか、とても興味があります。
今後これだけの建築物がたびたびあるとも思えませんし、今後はこんな木材が集められるかもないのではと思います。
ぜひ名古屋に行かれる機会がある方は、名古屋城の本丸御殿復元工事に立ち寄って見られてはいかがでしょうか。
でも現場の方は相当苦労されておりました。
完成まで長いですが、頑張ってください。