実家の仕事・・大館曲げわっぱ
秋田県大館の実家は、今は民芸品の「大館曲げわっぱ」の製造をしている「大館工芸社」です。
実は15年ほど前に大館工芸社に後継者がいないため継承できない事態になり、兄がその会社を引き継いだのです。
母の実家も今も曲げわっぱをやっていて、それも何かの縁だったのでしょう。
地元の産業を支えることになりました。
「曲げわっぱ」とは杉を薄く挽いたものを曲げて器にしたものです。
江戸時代中期の1760年頃に、大館城の藩主は領内の窮乏を救うために豊富な森林資源を活用して曲げわっぱを始めたのが原点です。
本来は「天杉」と言われる植林ではない天然木の秋田杉の樹齢200年以上の杉を用いた工芸品でした。
いまはその天杉もかなり少なくなってきましたが、主たる部分には天杉を何とか調達してやりくりしています。
今回は工場の様子をご紹介いたします。
まずはショールームです。
曲げわっぱの製造の工程は薄くスライスした杉板をお湯で茹で上げます。
そしてやわらかくして曲げに入ります。
曲げたものをクリップで挟んで養生します。
円柱以外にも円錐のものも製造できます。
これには企業秘密があるらしく、本来は写真は不可なのですが身内ということでちょっと撮影しました。
曲げたものはさくらの樹皮で端をとめていきます。
こちらはご飯を入れるおひつのふたです。
工程ではそれぞれにチェックポイントがあり点検をしますが、こちらは木部の重なりの部分を丁寧に切りそろえています。
工程に合わせてカンナなどの治具もそれぞれ手作りするのだそうです。
細かい仕事ですが、若い人から熟練者まで25名くらいの社員です。
今年も「グッドデザイン賞」を受賞するなど、伝統工芸を広めるべく頑張っています。
今度の新社屋ではいつか展示会も企画して、「曲げわっぱ」を手にとってもらえるようにして、普及にお手伝いしたいとも考えています。
何かありましたら私にでもお問合せください。