社長の不定期日記

『カナダのたび その3』

今回の森林研究所も初めての訪問です。
ここはBC州立大学UBCの森林研究所です。

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研究所の設立は60年以上経つそうです。
しかし正式設立の前、100年位前から活動は始まったようです。
ここでは
(1)その土地に適した樹種はなにか
(2)森林の研究とマネージメント
(3)気候変動にも耐えうる持続可能な資源循環の仕組みを研究する
(4)研究所維持のために電柱を売って資金にする
こういった目的で研究されていて、一番大事な部分は(3)の永続的に循環するための仕組みづくりと言ってました。
 
この研究員の方の案内で山に入りました。

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この山は主にダグラスファー(和名:米松)、ヘムロック(ツガ)、ウェスタンレッドシダーWRC(米杉)の
3種類だそうです。
これはどの木の樹皮でしょうか?

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ヘムロックは影でも育つので近くで写せるところがなく、撮れませんでした。


それぞれの木は適したところに生息するわけです。
WRCは低い水辺に近いところが育ちやすく、ダグラスファーはもう少し高いところに生息します。
こうした自然林も落雷などで、大掛かりな火事に見舞われることもあるようです。
この木は500年以上前の火災で、焦げたけど生き残った木のようです。

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沼の方に案内してもらったら、ここは昔相当に立派なWRCの宝庫の場所だったようです。
当時伐採した切り株です。足掛けの窪みも見えます。

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それが火災で一面に焼け、その後自然に復活してきて100年くらい経つようですが、立派なWRCの森に
なっていました。

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水辺に近いところはほとんどがWRCでした。
この葉っぱをみると和名米杉というけど、ひのき科だというのが分かります。
葉っぱは日本のひのきとそっくりです。


案内の方がスコップで掘り返すと火災にあった証拠に、土の中から炭化したのが出てきました。

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日本でも千葉に東京大学の演習林というのがあるらしいけど、さすがに森林の国カナダは規模といい制度といい、
しっかりと科学しながら林業を支えていると感じました。
 
それに比べると日本の林業は大変な曲がり角に来ているのだと感じます。
日本も今伐期を迎えている杉・ひのきも豊富にあり、これを生かす方法を真剣に考えなくてはなりません。
皆さんのご理解も必要です。
お願いいたします。

2013年7月3日 04:45|カテゴリー:社長ブログコメントをする