社長の不定期日記

フランク・ロイド・ライトの遺構を訪ねて

20世紀を代表する世界屈指の建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの残した建物を見学に行きました。
ご存知のように帝国ホテルの設計者でも有名です。
以前にアメリカに残されているライトの建物めぐりがあったのには参加できずに、ずっと気になっていたので今回のツアーを見つけて参加しました。
池袋から5分くらいのところに「自由学園 明日館(みょうにちかん)」があります。

女性誌の草分けとなる「婦人之友社」を創設した羽仁夫妻が、自分たちの子供(女子)の教育の場として学びの館を開設したのが始まりで、その自由学園は今は東久留米市に移っています。
帝国ホテルを作るときに来日していたライトに友人の遠藤新氏が紹介し、設計を依頼したとのことです。

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建物は高さを抑え、地を這うような佇まいを特徴とし左右対称に作られています。


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創立当時の完成したときの写真にはライトも写っていました。
大正10年当時は着物の時代だったでしょうが、洋装の子供も多くいて、当時の裕福な家庭の子女だったのでしょう。


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学園は生活しながら祈りをしながらを目的に建てられました。
建物は水平線を強調されていて、食堂などは低く暗い階段を上がると一気に開放的な空間に出会い、開放的な演出がされています。
光の演出も巧みです。


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食堂では当時使われていた椅子と机も置かれています。


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当時から食事の時間は重要とされ、全員がこの食堂に集まって食事をしていたとのことです。

ガイドの方から詳しくお話しを伺いながら、フランク・ロイド・ライトの建物を見学しました。
感想はシンプルにしてメリハリの利いた空間を作られているのに感心しました。
これが90年以上も前の建物とはとても思えませんでした。
建物も傷みがひどくぼろぼろ状態だったようですが、平成9年に国の重要文化財に指定され、復興できたことは何よりでした。

ほかに北区の飛鳥山公園にある渋沢栄一記念館に行きました。
ここには同じく重要文化財になっている「晩香盧(ばんこうろ)」「青淵文庫(せいえんぶんこ)」を見ました。
晩香盧は渋沢氏が喜寿の祝いに清水建設が贈った洋風茶室で、すべてが栗材で作られていました。
数奇屋とは違う茶室で、なるほど当時の洋風化の世相が反映されていると思いました。

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もうひとつは1925年(大正14年)80歳の祝いに書庫にと贈られた鉄筋の建物でした。


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渋沢栄一は明治大正の新しい国づくりに携わり、国立第一銀行の設立など500を超える企業にかかわり「日本資本主義の父」とも言われている人です。
確かにスケールの大きさには敬意を表します。

思えば近くにも歴史に残るさまざまな建物などもあるので、これからも機会をみて見学してみたいと思いました。

2012年2月13日 05:43|カテゴリー:社長ブログコメントをする