社長の不定期日記

木材は放射能に汚染されてるか?!

まもなく東日本大震災から一年です。
先日はコンクリートに放射能が含まれていて大騒ぎになったように、私たちの扱う木材も放射能に汚染されてると気になる方もおられ、木材組合にも問合せがあるようです。
そこで私たちの勉強会で、以前からご指導をいただいている「東京大学名誉教授 岡野健先生」をお招きし、お話しを伺いました。

題目は「セシウム137と木材 -木は汚染されてるか-」


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放射性物質には主に ◎ヨウ素131 ◎セシウム137 ◎ストロンチウム90
などがあります。
ヨウ素131は半減期が8日間であり、木材に問題は及ぼしにくい。
ストロンチウム90は半減期が30年弱だが、放出量はあまり検出されていない。
セシウム137は半減期は30.2年と長く、今回の放射能ではもっぱら対象はこのセシウム137に向けられている。

福島原発から30km圏内の川内村の森林調査の結果の話しでした。

●結論
難しい話しなので、結論を述べます ⇒ ◆木材は大丈夫◆

セシウム137は水に溶け易く、木はその水を吸い上げ「葉」で光合成を送るが、葉の中の水が栄養分に使われない余分なものは蒸散すると葉にセシウムは残る。
葉は針葉樹でも1,2年で落葉し、それは腐葉土化し、土に戻る。


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日本の山林の土は粘土質が多く、セシウムは表層5cmくらいに留まり、30cm以下ではほとんど検出されず。根はさらに深いところに張っていて、水の吸い上げに影響がない。

ではどこでセシウムは検出されたか?!
◆外樹皮、内樹皮に多くあった


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外樹皮、内樹皮等は製材の前にバーカーといわれるもので剥きはがされる。
その後に製材機で挽き割られる。丸太の芯材、白太と呼ばれる辺材には検知されなかった。

●問題点
木材の製品そのものには検出されないが、降った雨や光合成で残った水分は表面に付着していることになる。
その樹皮の処理には注意が必要となる

●朗報
新聞に「中央農業総合研究センター」が放射性セシウムを99.7以上分離・除去できる仕組みを開発したとある。これからは表層土壌や落葉、枝なども除去できるようになることでしょう。
今後の技術革新に期待をしたい。

放射能直撃の山林でも木材の安全は確認されたわけで、ほとんどの木材の主産地は福島から遠く離れた場所になります。木の家に住むことが、汚染におびえながらでは健康的ではありません。
まずはご安心ください。
これからも正しい情報を得ながら、皆様にお伝えしていきたいと思います。

2012年2月23日 05:31|カテゴリー:社長ブログコメントをする